どっかのページで赤外線の混信について色々書いてあったんですが自分的に納得出来ないので自分で纏めてみました。
つかあのページはウチに喧嘩売ってる気配がするので乗ってやろうと(何

あ、因みに此処に乗っている話は当然の如く無保証です( ゚∀゚)

混信の定義

 そもそも混信って何よ?って所から話を始めます。

 高専ロボコンの赤外線で混信と言われる物は次の2つがあります。

・他高専の信号が混じる
・強力なNHKのライトで自分の信号が打ち消される

一般的な混信の定義は上の方です。

他高専の信号が混じる

 同じ周波数・変調方式の場合には原理的に避けられません。
つまり同じモジュールを使っている場合です。
この場合、デバイスコードを使って時間軸を分割して使う事になります。

ライトで打ち消される

 NHKのライトは強力ですねぇあれ。
多分使ってると思われるハロゲンランプは赤外線領域まで発光スペクトルが延びてますから。
ただし、周波数が全く違うのでちゃんとしたフィルタ入ってればなんとかなる。

混信対策各種

 思いつく限り混信対策を書き連ねてみます。

●=信号が混じらなくする
■=NHKのライトを鹿とする

・デバイスコードを変える●
・周波数を変える●
・変調方式を変える●
・指向性を上げる●■
・出力を増す■

デバイスコードを変える

 効果は小さいです。
まぁ、殆どの高専はこの方法を使っているでしょうが・・・
デコードの方法とか、相手高専の仕様に依っても左右されます。
 この方式は、時間を高専毎に分割して共有する事になるので、
同じ信号を何度も送ったり、セパレータやストップビット等を入れたりすると逆効果になる恐れがあります。
エラーをチェックする時はXOR演算やCRC等を使った方が良いと思われます。

周波数を変える

 効果的です。
ただ、赤外線の場合売っている受信モジュールの中心周波数は40kHz前後と455kHzの2種類のみです。
なので効果はありますが選択肢は2種類のみです。
 日本電気のuPC2800Aという赤外線受光用ICは、外付け部品で中心周波数を変更する事が出来ます。
実験してみるのも良いかも。

変調方式を変える

 効果はまちまちです。
採用する変調方式や、相手の変調方式の組み合わせによって変わります。
 というか、市販品は全て同じ方式です。

指向性を上げる

 効果的です。
但し高速マシンなど、特性的に指向性を上げられないマシンというのも存在します。
こういう場合は採用出来ません。えぇ。

出力を上げる

 さぁ問題のこれです(何
NHKのライトに信号が上書きされる場合は以下の2種類あります。

・BPFでカット出来ない程S/N比が悪化している場合。
・回路がサチレーション起こしてる場合。

 回路がサチっている場合、受光モジュールに覆いを付ける以外根本的な対策はありません。

 S/N比が低下している時の対策は、Nを減らすかSを増やすかすればいいわけです。
つまり指向性を上げるか、送信機の出力を上げるか、マシンに近づくか、です。

よって、出力を上げる事は、サチレーションを起こしていないのであれば効果があると言う事です。
 例を挙げて検証してみます。 10mX10mのフィールドを、10kWのランプで照らしており、その内10%が受光モジュールの反応する赤外線に変換されると仮定します。
その場合の単位面積当たりの赤外線の量は10W/m^2になります。
これはTFK4の最大規格20W/m^2より小さい値なので、サチレーションは起こさないと思われます。
信号を受信できなくなる程NHKの照明は強力ではない、と言う事ですね。
 つまり発光強度を上げる事は効果があります。
何か読み返すと凄い強引な仮定で成り立ってますねぇ。
よって一時的に削除。実際に使ってるライトと出力が判れば計算出来るんですけど。
NHKに聞いてみるか。教えてくれるかな?( ゚∀゚)
 ・・・床材の反射率とか判ると又別な計算方法が使えるんだけどなぁ・・・

但し、よく言われる事ですが発光強度を上げると一般的に同じ周波数を使っている他高専にノイズが乗ります。
マシンが素早い・数が多い等指向性を上げたり距離を縮めたりする事が難しい場合にのみ使われるべきだと思われます。
( ゚∀゚)つまり去年と一昨年のうちですね。

モジュール毎の特性

TFK4はAGCの後にBPFが入っているので外乱光に弱いと推測。
東芝製455kHzモジュールのTPS830は、アンプの前に低域トラップが入っていてしかもBPFの後にGCA入ってるのでTFK4に較べて外乱には強いと思われる。

で、結論

 指向性を強くするのが単純且つ効果的かと。
が、指向性を強くするのが難しい場合は、周波数を変えるかデバイスコードを変えるか、
最終的には力業に頼らないといけません。その場合は、試合前にしっかりとテストした上で相手高専に理解を求めないといけませんね。
ここん所がちょっと足りなかったか?と言う去年の反省が自分の中に少なからずあるんですが。

モジュール別では、ブロック図見る限りTPS830の方が優秀だと思われますね。
外乱には相当強そうな気配が。
まぁ実物持ってる訳じゃないのではっきりは言えませんがえぇ。

 因みに、今年うちの学校は、赤外線の仕様見て貰えば判りますが特殊な変調方式を使っています。
さらに実験結果も合わせて読んで貰えば判りますが、他高専へのノイズは小さくなっています。
単純に言えば1/63になってる筈です。去年に較べて。
まぁそんな単純な話ではないので、実際はもっと多く乗るでしょうがそれでも去年よりはかなり下がっています。
 という訳なので、大会で見かけてもそれほど気にして貰わなくて大丈夫です。